塩田彰が解説!先物取引について

塩田彰が先物取引について解説

先物取引とは将来の売買についてあらかじめ現時点で約束をする取引のことです。現時点では売買の価格や数量などを約束だけしておいて、将来の約束の日が来た時点で、売買を行います。

前もって売買の価格を決めておくことができるので、価格変動する商品の売買につきものの価格変動リスクを回避できるという利点があります。

塩田彰が教える先物取引の仕組み

先物取引は両社の間で、「DはA店に1年後にリンゴ1個あたり必ず70円で販売する」という契約をします。

この契約によって、A店はリンゴを1個70円で買うことができ、リンゴの価格が高くなっても赤字になるリスクを避けることができます。また、Dも70円で確実に売れるのであれば、利益を十分確保できます。

このように、先物取引を使うことで、商品の価格変動のリスクを抑えることができるのです。

先物取引の3つの要素

先物取引には3つの要素があります。

要素①期日

期日は、「決済期日」「満期日」「限月(げんげつ)」などとも呼ばれます。

先物取引は将来の取引を約束するものなので、それがいつの時点なのかを確定する期限のことをいいます。

この期日は、原資産によって複数の期日が定められています。

要素②原資産

先物取引の対象となる商品のことを原資産といい、次のようなものがあります。

①日経平均株価指数

国内で最もメジャーな先物取引といえば、日経平均株価を原資産とした「日経平均株価指数先物取引」です。

また、アメリカの株価指数を対象とした先物取引には、「S&P500先物」「ダウ先物」などがあります。

②商品先物

金、プラチナなどの貴金属、ガソリンなどのエネルギー、とうもろこしや大豆などの農産物は、東京商品取引所で先物取引が行われています。

要素③価格

先物は限月(げんげつ)ごとに取引され、価格も限月(げんげつ)ごとに決まります。

通常、先物は期先、つまり期日が先になるほど価格が高くなっていきます(=「コンタンゴ」)。

期先になるほど価格が高くなる理由の1つに、期先は期間が長い分、金利や保管コストなどが高くなることが挙げれます。

塩田彰が考える先物取引のメリット

私が考える先物取引のメリットを3つ解説していきたいと思います。

メリット①価格変動リスクをヘッジできる

価格変動のリスクをヘッジできるメリットは、商品の価格変動のリスクを抑えることができることです。

先物取引を使うことで、価格変動によって損失が生じることをヘッジ(=回避)することができるのです。

メリット②売りからも取引ができる

通常の取引では、まず商品を仕入れてから売る必要があります。

しかし、先物取引は、売りから取引を始めることができます。

先物取引はあくまでも「売買することを約束する取引」なので、手元に商品がなくても先に売ることができるのです。

この場合、期日までに調達した商品を渡すことで決済したり、期日に売った価格と当日の価格で差額決済することで約束を果たすことになります。

このように、先物取引は売りからも取引ができるので、取引対象の商品の価格が下落することを予測している場合に、手元に商品がなくても利益を狙うことができます。

メリット③レバレッジが効くので資金効率が良い

レバレッジとは、少ない資金で大きな金額の取引をする仕組みのことをいいます。

仮に日経225先物(3万円と仮定)を1枚買うとしたら約3,000万円がかかるのですが、先物取引を使うとレバレッジが効いているので、200万円で済みます。

このように、先物取引は少ない資金で効率良く取引ができるのが特徴です。

ただし、レバレッジをかけ過ぎると、相場が思惑と反対に動いた時には損失が大きく膨らむ場合があるので気をつけましょう。